オトコラム

第72号 高齢者が欲しているモノ

以前に、シルバーサービス振興会というところが高齢者に実施した、とても興味深い調査データがあります(以下は調査結果の抜粋)。

1.日用品の買い物をするにあたって、接客(お店の人の態度、対応、会話支援、配置など)は、どの程度重要と思われますか?

品揃え、価格、設備などより重要     20%

品揃え、価格、設備などと同じくらい重要 41%

2.地域において安全に安心して暮らすために、商店街、商業施設にどのようなことを期待しますか?

日常の挨拶、声かけ  55%

宅配時の声かけ、安全・安否確認 25%

ついでの折の、ちょっとした手伝い  21%

人と話し触れ合える場所や機会の提供  27%

まず、1の結果から。

実に61%の高齢者が、接客(つまりは、お店との円滑なコミュニケーション)は、品揃えや価格と同じか、それ以上に大切だと答えていますね。

そして、2の結果からは・・・

多くの高齢者の皆さんが、日常的なコミュニケーションの場を欲していることが分かりますね。

しかも、ここで言われる“コミュニケーション”とは、ネット上でのテキストベースのコミュニケーションでないことは明白です。

そう、多くの高齢者が欲しているのは、

音声コミュニケーション

なのです。

日本は超高齢社会です。

しかも、人数が多いというだけでなく、国内金融資産の60%以上を高齢者が有しているという、世界的にも珍しい経済状況下での超高齢社会です。

若い人たちの中には、「年寄りが貯めこんでるから、俺たちに回ってこないんだ!」とボヤく人が増えてきました。

政治家や官僚、大手企業の経営層の方々の中には、「高齢者に貯めこんだ金を吐き出させないと、景気は良くならない!」とボヤく人が増えてきました。

どちらも、間違ったボヤキではないでしょう。

だけど・・・ね・・・

欲しいモノが得られないのに、お金だけ払う人はいないでしょう?

ボヤくのは、高齢者の皆さんに、“高齢者が欲しているモノ”を、心を込めて提供してからにしては、どうでしょうか?

(2018.7.9)


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