オトコラム

第68号 高齢顧客からの支持を得られない企業

最近の経済データなど、ちょっと見てみました。

2016年の日本の65歳以上の人口は3,459万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は27.3%。

すでに世界トップレベルなのですが、この高齢化率は2036年には 33.3%、2065年には38.4%に 達すると予想されているそうです。

一方で、日本全体の金融資産(貯金などですね)の世代別の割合を見ると・・・

これは計算方法が色々あるのですが、2016年でおおよそ55~65%を高齢者が有しているそうです。

日本は全体の27%が高齢者で、この27%の人たちが国全体の金融資産の半分以上を持ってるってことですね。

で、さらに、この割合はドンドン増えていくだろうってことです。

(なんか、オトコラムらしくない話題になってきてるなぁ・・・(汗))

<まぁ、要するに、人数が多くて資産が集中している顧客層、つまり高齢者からの支持を得られない企業は、この国では“間違いなく!”生き残っていけないってことです。

一方で、アチコチの企業さんと高齢顧客対応に関するお仕事をさせて頂いていて不安に感じるのは、こんな状況にも関わらず、多くの日本企業で、高齢顧客対応に関する“勉強不足、スキル不足”が散見されることです。

テレビやネットで語られる「高齢者とは〇〇だ」という、とても偏った断片的な情報を 鵜呑みにして、それに基づいてビジネス戦略を立ててしまっている企業が、もの凄~く 多いってことですね。

一例を挙げると・・・

「高齢者は前頭葉の機能が落ちてきているので、すぐにキレるし、いくら話してもわかってもらえない」

って話。

一時期、テレビなどで盛んに報道されてましたね。

でもこれは、ごくごく一部の、とても少数の高齢者の話なんですよ。

長年補聴器販売店に勤務し、年間1000人以上の高齢者に接してきた私の仲間はこう言います。

「認知機能が落ちてしまって話が通じない人、いきなり理不尽に怒り出す人・・・そんな高齢者いたかなぁ・・・記憶に無いよ。いたとしても1~2年に1人もいないよ。きちんと伝わるようにコミュニケーションを取れば、皆さんちゃんとわかってくれるよ。だってみんな人生経験豊富なんだから。」

でも、多くの企業では“高齢者はキレやすい”って思いこんで、腫れ物に触るような対応を してしまう。不必要に大声で話しかけたり、何度も何度も同じ話をしたり・・・。

それじゃあ、高齢顧客からの支持は得られませんよねぇ。

最近は、高齢者用の音響製品(コミュニケーション支援機器のような製品)なども売られ始めています。

金融資産の保有割合が高い顧客層をターゲットにするのは当然と言えば当然ですが・・・

全くデタラメな内容なのに宣伝ばかり上手で、やたらと高額で売っているヒドい製品も多いようです。

困りましたね。

そういった企業が高齢顧客からの(見せかけの)支持を得て、真面目に経営している企業が そっぽ向かれてしまっているんですから。

真面目な皆さんには、まずは高齢者に関する“正しい”知識を身に着けて頂きたいです。

特に、高齢者のコミュニケーション能力に関しては誤解が多く、それがために、高齢者はみんな認知症だ!みたいな間違った常識が企業や組織内に蔓延している場合も多いようです。

まずは↓でも読んでみてください。

高齢者とのコミュニケーション

手前味噌で恐縮ですが・・・

けっこう参考になるはずですよ!

(2017.9.8)


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