オトコラム

第60号 聴覚とビジネス

オトデザイナーズは、「聴覚」に関する知識や技術をビジネスに活かそうと考えて設立された企業です。

実は、来年で、設立して10年になるんですよ。

「聴覚」などという、ビジネスとはおおよそ縁遠いような分野に特化して、よくもまぁ10年もやれたもんだ!と思われる人も多いことでしょう。

それは正しい!

だって、私自身が、そう思ってるんですから。

ここ数年は、高齢者とのコミュニケーションに関する仕事が、とても多いです。

高齢者とのコミュニケーションを円滑にするための企業研修のご依頼や、(株)TMJさんと共同開発した高齢者とのコミュニケーショントレーニングツール「ジェロトーク」に関する問い合わせをはじめ、高齢者に聞きやすいサウンドを利用した製品の開発など、「高齢者」をキーワードにした問い合わせが引っ切り無しです。

時々、出演や監修の依頼を頂くテレビ番組も、その多くは、高齢者とのコミュニケーションに関する話題です。

多くの企業や、色んな人たちから頼りにされているわけですから、嬉しいの一言に尽きますね。

ありがとうございます!

一方で、「聴覚」をビジネスと結び付けて行く“本当の難しさ”も感じています。

これは、「音は目に見えない」という単純な事実から来る難しさが最も重いように思います。

近年のビジネスでは、短時間のプレゼンテーションが、そのビジネスの勝敗を決するケースが多いようです。

例えば、家電量販店などでは、多くのメーカーの製品が見やすいように棚に並べられ、大きな文字でキャッチコピーと価格が表示されています。

商品の売れ行きは、置かれる棚の位置とキャッチコピーの内容に大きく左右されます。

聴覚に関する新しい商品って、音を聞いてもらわないと違いがなかなかわかってもらえないですよね?

でも、家電量販店など、皆さんがモノを購入されたり、サービスを申し込まれたりする店舗って、そんな風に音を聞き比べてもらえるような雰囲気ないですよねぇ。

聴覚と音に工夫を凝らした商品やサービス・・・その良さが伝わるプレゼンテーション法の構築が、オトデザイナーズの次のミッションなのかもしれません。

(2015.11.24)


△ページTOP